駅伝・マラソン

【2016箱根駅伝】復路統括。青学盤石!問答無用の強さで連覇達成!

2016年のお正月の風物詩の箱根駅伝は、青山学院大学が問答無用の強さで連覇を達成しました!

青学強し!来年にも視界良好!

往路では一度もトップを許さず駆け抜け、復路ではさらに差を広げる走りで完全優勝。5000メートル13分台、10000メートル28分台の選手を豊富に擁し、走力の高さを数値通りに見せつけた結果のように感じました。

初めて王者として臨む箱根路。様々なプレッシャーがあったように思いますが、それでも勝ち切れるところは流石のチーム力。全日本駅伝の敗戦を見事に払拭したレースだったと思います。

青学の勝利のポイントは、昨日の3区と今日の6区。本来は前回区間2位の村井を起用するところだが、ルーキーの小野田を抜擢。

平地で実績のある選手が多い中、青山学院の唯一の不安要素は山下りだった。対抗の東洋や駒澤も6区で追い上げることで逆転のきっかけを掴もうとしていたに違いない。

だが、その目論見を阻んだ小野田の適性。下りに入りギアを上げるとそのままペースは全く落ちなかった。走り終わってみれば58分31秒と昨年の早稲田・三浦と同タイム。

しかも、1年生で58分台は初の快挙。村井を凌ぐ下りの適性を見極めた原監督の采配がここでも的中した。

昨年も6区で後続を引き離す走りを見せたが、今年も下りで差をつけ、7区以降の得意パターンに持って行けたことが大きかった。

7区小椋は苦しい表情を浮かべていたが区間賞を獲得。続く8区下田も区間賞で続き、9区中村は区間7位という結果だったが、アンカーの渡邉が区間賞で締め、優勝のゴールテープを切った。

独走態勢を築いた青山学院につけ入る隙はなかった。
最後まで油断しない攻めた走りがあったからこそ、昨年同様大差での勝利に繋がったのだろう。
選手の力、そして指揮官の采配がピタリとハマった素晴らしいレースだった。

改めて感じた優勝の難しさ

「3強」と称された青学・東洋・駒澤がレース前の予想通りに1~3位で大手町に戻ってきたが、内容とタイムを見た限り完全な力負けだ。

ポイントとして挙げていた6・7区に主力を配置したもののどちらも青山学院に先行され追撃することができなかった。この時点で大勢はほぼ決まっていた。

それでも、少しでも差を縮めようと見せない背中を追う姿はどちらも堂々としたものだった。

優勝をする為にはミスをしないこと。鉄則ではあるが、実行することは容易ではない。

彼らで言うミスとはブレーキを作らないことだけではなく、どの区間で何分先行していなくてはいけないか、どこのチームより前にいなくてはいけないか、など緻密な設定がある。東洋も駒澤も3区までにほころびが生じた。

本来用意したかったシナリオとは違う復路でのレースはやはり厳しい。
どのような展開にも順応しなくてはいけないが、それを上回った青山学院の走力と適正に軍配が上がった。

個人記録では東洋の区間賞は2区の服部のみ。駒澤は0人に終わった。

殆どは区間上位で走っていたが、それでも区間賞を獲るような選手の存在はライバル校を焦らせる事ができる。走力や適正、流れを作るエースの存在、繋ぎをしっかりと走れる選手など10人を揃えることが難しい箱根駅伝。

そう考えると「箱根駅伝で勝負できる10人」をどれだけ揃えられるかが優勝の絶対条件なのかもしれない。

シード権 悲喜こもごも

復路でのシード権争いは区間ごとに順位が変動する目まぐるしい展開となった。往路のリードを守りたいチーム、復路に主力を残し追い上げを図りたいチームなど各区間の思惑が窺い知れた。シード権の行方は少しのつまずきが明暗を分ける熾烈なサバイバルゲームとなった。

まず足がかりを掴んだのは日体大。往路の時点では13位と苦しんだが、6区秋山が区間新記録となる58分09秒というタイムを叩き出し、一気に流れを掴んだ。山下りで食い込んだシード権を7区以降も粘り7位フィニッシュ。特殊区間で作った大きなリードを最後まで生かし切った。

6区三浦を直前で起用できないアクシデントに見舞われた早稲田だったが、走力の高さを生かし、4位に入った。往路の序盤では厳しい展開になっていたが、充実したチーム力を見せた印象だ。

対して山梨学院はヒヤヒヤのシード権。6・7・8区と思ったように流れを作れず一時は9位にまで下がった。

しかし、9区河村が何とか粘り8位で押しとどめ、10区も順位をキープ。

東海・順天堂も最終順位は5・6位だが、余裕のあるレースとは言いがたかった。それでも区間下位に沈まず粘れるところは走力の高さだろう。

東海は9・10区の4年生が区間上位の走りで盛り返した。走力のある若手メンバーに彼らのような安定感がつけば優勝を狙えるチームになるはずだ。

順大は予選会組としてはトップの順位でレースを終え、来季の自信としてもらいたい。

9位には中央学院。9区の海老澤選手がフラフラになるという状態になったが、何とか6区からの勢いを繋げることができた。日体大同様、山下りで樋口が区間3位で一気にタイムを稼いだことが大きい。

そして、10位には崩れず着実にタイムを刻んだ帝京が入った。復路の殆どの区間を区間10位前後でまとめ、ひたすらに自分たちの走りを貫いた。大きなリードを作る区間はなかったが、無くす区間も作らなかったことが最後の枠を勝ち取らせた。改めて彼らの安定感の高さを見た復路だった。

今回まさかのレースになってしまったのが予選会トップの日大。ポイントの6・7区で好走し、6位まで順位を上げたが8区以降に失速し11位。特殊区間の5・6区をストロングポイントとし、有利な展開に持って行けていたと思ったが、平地で苦しむことになってしまった。

日大同様、区間下位となってしまった大学はその区間でシード権争いから脱落していった。拓殖や城西、初出場の東京国際など1区間の粘りはあったが、やはりシード権を獲るには継続して流れを維持しなくてはならない。

来年はさらに予選会が激化することが予想される。上記の大学や中央や神奈川に加え、シード権はほぼ確実視されていた明治も予選会に回る。エースが抜ける大学や主力が固まっていたチームは苦しい戦いになりそうだ。

青山学院大学の優勝で来季はどう変わるか

神野・小椋・久保田が卒業し、エース力は落ちると予想される青学だが、一色や今回台頭した秋山、6区の小野田など箱根を制する戦力は残っている。

対して東洋は服部勇馬という区間賞を獲れるエースの不在を、弾馬を筆頭に補ったチーム力を作らなくてはいけない。

駒澤は中谷・西山・大塚らが最上級生となりチーム力は依然高い。来季の優勝候補は、駒沢になるのではないだろうか。

早稲田や東海・山梨学院なども選手層は厚く、来季も上位戦線に立つことは間違いなさそうだ。

新入生情報はまた別途記事で!

第92回大会で連覇を果たした青学。
果たしてこの記録を伸ばすことが出来るのか、そして、それに待ったをかけるチームがどれだけ出てくるのかも注目したい。