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ボクシング・格闘技

世界最強ボクサーに井上尚弥はなれるか?!「怪物」と言われる経歴を紹介

2017.9.10 更新

井上尚弥というボクサーは凄すぎる。「モンスター」または「怪物」と呼ばれ、同じ階級では対戦相手から逃げられてしまうこともある、日本人離れしたボクサーです。

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井上尚弥とは?!

現在の日本ボクシングにおける2大スター選手といえば井上尚弥と井岡一翔です。

各々の特徴を簡単に表すと、井岡一翔が隙のない完成度の高いボクサーで、井上尚弥は底知れない強さを持った怪物ボクサーであることがあげられます。

どちらもそれぞれ違った魅力があり、井岡は唸らせるようなテクニックで相手を翻弄していきますが、井上は「怪物」の名に違わぬ、衝撃的なパワーでKOを生み出してきたボクサーです。

そんな井上の実績としては、高校時代のアマチュアボクシングでは前人未到の7冠を達成しています。プロでも当時史上最速の6戦目での世界王者、さらに8戦目での二階級制覇はをしていて、これは国内最速となっています。

今回は、日本ボクシングの常識をことごとく打ち破る大スターであり、怪物ボクサーである、井上尚弥の魅力について紹介していきます。

経歴

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✔ 生年月日:1993年4月10日
✔ 身長:162cm
✔ リーチ:170cm
✔ 体重:52kg
✔ 階級:スーパーフライ級

【タイトル】
✔ 第36代日本ライトフライ級王者
✔ 第33代OPBF東洋太平洋ライトフライ級王者
✔ 第33代WBC世界ライトフライ級王者
✔ 第17代WBO世界スーパーフライ級王者

トレーナー井上真吾

井上尚弥は小さい頃から父親の影響を受けてボクシングを始めました。父親の井上真吾がその時から現在に至るまでトレーナーを勤めています。

親父さんの井上真吾は、見た目は怖いですが、最近では名物親父としてメディアに出演したり本も執筆していたりもします。親子ボクサーというと亀田親子を思い出しますが、こちらの親父さんは昔はヤンチャだったものの、今ではとてもナイスガイです。

そしてこの親父さんの凄いところは、元々塗装業を営んでいたのだですが、井上尚弥と弟の拓真がボクシングを始めると、子供たちの練習のためにとボクシングジムの経営まで始めてしまったことです。それ以来、親子二人三脚で練習をしていると、いつしかとんでもないボクサーになっていきました。

また所属している大橋ジムの会長も、この親父さんは凄腕トレーナーだと息を巻いています。

アマチュア時代

井上尚弥は、高校生の時には1年生でインターハイ・国体・選抜の全国3冠を達成しています。ボクシングの主要な高校タイトルはこの3つなので、1年時から全国最強だったということです。

強すぎるということで、高校生ながら一般のカテゴリにも参加していて、高校3年時にはアマチュアの全日本選手権に出場してなんと優勝しています。さらにロンドンオリンピック出場を目指してアジア選手権に出場し、決勝まで進むも、世界選手権銅メダリストのカザフスタンの選手に敗れてしまいました。もしここで勝っていたらオリンピック選手にもなっていたと思われます。

高校生では史上初の7冠を達成し、大学生以上を含めても同じ階級では敵なし状態になってしまったので、プロ転向を決めました。

「怪物」という愛称

プロ転向と同時に、大橋ジムの大橋秀行会長によって付けられた愛称が「怪物(モンスター)」です。

当初はその爽やかなルックスもあってあまり似合わないという声が周囲からも多く、また井上本人も「正直あまり気に入ってなかったのでライトフライ級世界王座の初防衛戦の時、リングアナウンサーに『モンスターとは呼ばないでほしい』と頼もうとしたが、大橋会長に『俺が気に入ってるからいいんだ』って言われてしまって、そのままになってます(笑)」と語っています。

そして、減量苦から解放されて桁外れのパンチ力で豪快なKOを連発するようになった、スーパーフライ級転向以降は「まさに怪物だ」と評され、ニックネームも馴染み始めています。

プロ転向後

プロ入りする際に所属する大橋ジムとの契約書に、井上本人たっての希望で「強い選手と戦う。弱い選手とは戦わない」との条件が付け加えられています。

普通はアマチュアの大物でも、プロになって初めて話題になるが、井上の場合はプロテストの時点でちょっとした騒ぎになりました。

というのもプロテストの実技試験の相手が、井上の実績が考慮されたことで現役日本王者が選ばれ、しかもそのテストで日本王者を圧倒してしまったのです。

アマだけでなく、プロでも入った時点で、ほぼ日本では敵なしの状態になってしまいました。

プロテストでこれだけやってしまうと、もちろんプロでの試合は勝って当たり前だよね、ということで普通に無傷で勝ち進んでいきます。

デビュー戦の相手が東洋太平洋7位の選手でしたが難なく下し、4戦目にして田口良一という日本王者に勝って、日本タイトルを手にしました。(その田口も今や世界王者として4度防衛している名王者です)

そして6戦目にして世界挑戦し、6RKOであっさりと世界王者に輝いています。これは当時日本人最速記録でしたが、最近は最速記録がインフレしているため、抜かれてしまいました。

井上のキャリアからすると、世界王者になるのは当たり前に思われがちですが、実はこの最初の世界戦がキャリアで一番危ない試合でした。

それは厳しい減量によってコンディションが非常に悪く、試合中に足をつって動けなくなってしまったからです。井上自身も負けを覚悟して、決死の思いでラッシュを仕掛けてKO勝利を収めていますが、それでダメならタオルが投げられていた可能性が高かったと後で言われています。

世界最強の井上尚弥へ

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そして日本ボクシング史に残る試合が訪れました。

井上尚弥は8戦目にして、階級を一気に2つあげて、飛び級でスーパーフライ級の世界王者に挑戦することになります。その相手がなんとアルゼンチンの英雄、オマール・ナルバエスでした。

ナルバエスは、フライ級の世界王座を16度防衛、スーパーフライ級の王座も11度防衛しているスーパー王者です。敗戦は一度のみで、世界的なスターであるノニト・ドネアに一階級上のバンタム級で負けただけという、めちゃくちゃ強いボクサーでした。そしてナルバエスは、20年間プロ・アマ通じて1度もダウンしたことがないというボクサーでした。

しかし、井上尚弥はこのナルバエスを一方的にボコボコにしてKOしてしまいました。

1R開始わずか27秒で、井上は右フックで、ナルバエスから生涯初のダウンを奪うと、その30秒後にさらにもう一つのダウンを奪います。その後も井上が攻め立てると、2Rに余りにも鮮やかなボディーブローが入り、ナルバエスがたまらずダウン。そのまま立ち上がることなくKO勝利を収めた。

これを観た時は、ホントに衝撃を覚えました。凄すぎの一言。

そして、それが余りにも強すぎるがために、ナルバエス陣営は試合後に、井上のグローブに鉛でも埋め込んでいるに違いないと見て、グローブをチェックするくらい異常な強さでした。(これはほんと実話です)。この試合はYouTubeを通じて世界中のボクシング関係者に見られ、様々な海外メディアから世界を含めて年間最優秀ボクサー、年間最高試合に選ばれることになります。

ちなみにこの試合で、井上尚弥は拳を脱臼し、1年間の休養を挟んだ後に、9ヶ月で3度の防衛戦を行い、当然のように全て圧勝で防衛を果たしています。どれも「怪物」の名にふさわしい勝ち方でしたが、ホント、ナルバエス戦が余りにも凄すぎました。

海外から絶賛される

比較的、過去の軽量級の日本人ボクサーは、海外ではマニアであっても名前すら知らないことがほとんどでした。なぜならアメリカ人を始めとして、軽量級はあまり流行ってなく、ヘビー級に代表される重い階級の方が、世界では重要視されているためです。また日本人選手は海外でほとんど試合をしないため、認知度がホント低かったです。

しかし、井上尚弥の場合はナルバエスを衝撃的なKOをした試合が、YouTubeなどを通じて「あのナルバエスを破ったアジア人がいるらしい」という形で知られるようになり、海外メディアから日本人選手としては異例の高い評価を受けています。

井上尚弥の特徴

井上尚弥の最大の武器は何と言っても日本人離れしたパンチ力と、規格外のスピードです。ボクサーにとって最も重要なこの2つの基礎能力が、ズバ抜けて高いです。

そのパンチ力を物語るエピソードとしては、先程紹介したようにエルバエス戦のあとに、陣営から「鉛でも入れてるんじゃないのか」とグローブチェックをされたことが挙げられます。

さらにスパーリングでも、14オンスの試合よりも大きなグローブを装着しているにも関わらず、これでもかと相手をダウンさせてしまうらしいです。2016年には国内のアマ・プロのトップ選手を集めて110ラウンドのスパーリングを行ったが、その中で二桁以上のダウンを奪ってきたと言われています。

しかし、それだけパワーがあると、諸刃の剣ともなっていて、最近の井上は試合中に拳を壊してしまうことが常態化しています。しばしば右手が使えずに、左手だけで戦わなくてはならなくなっていることもあります。今はまだそれでも勝ってはいるが、ロマゴンのような強者と対戦した時にはそれが不安要素になりえるかもしれません。

アメリカへ進出

日本ではもう敵なし。日本でやるよりもアメリカということで。とうとう2017年9月アメリカでWBOの防衛戦を行うことに。

今まで、アメリカでの日本選手の防衛は、WBC世界スーパーバンタム級の西岡利晃、WBO世界バンタム級の亀田和毅しかいなく、また米国人相手での防衛は今までないという非常に厳しい条件に身を投じる事となりました。

しかし心配をよそに、2017年9月9日、カリフォルニア州カーソンのスタブハブ・センターで行われた「SUPER FLY」でWBO世界スーパーフライ級7位のアントニオ・ニエベス(アメリカ)を圧倒し、6回終了時棄権によりWBO世界スーパーフライ級王座の6度目の防衛に成功しました。

戦績

日時
勝敗
時間
内容
相手
1
2012.10.2
4R 2:04
KO
オマヤオ(フィリピン)
2
2013.1.5
1R 1:50
KO
チュワタナ(タイ)
3
2013.4.16
10R 1:09
TKO
佐野友樹
4
2013.8.25
10R
判定3-0
田口良一
5
2013.12.6
5R 2:51
TKO
マンシオ(フィリピン)
6
2014.4.6
6R 2:54
TKO
エルナンデス(メキシコ)
7
2014.9.5
11R 1:08
TKO
ゴーキャットジム(タイ)
8
2014.12.30
2R 3:01
KO
ナルバエス(アルゼンチン)
9
2015.12.29
2R 1:20
KO
パレナス(フィリピン)
10
2016.5.8
12R
判定 3-0
カルモナ(メキシコ)
11
2016.9.4
10R 3:03
KO
ゴーキャットジム(タイ)
12
2016.12.30
6R 1:01
TKO
河野公平
13
2017.5.21
3R 0:59
TKO
ロドリゲス(アメリカ)
14
2017.9.9(米国)
6R
TKO
ニエベス(アメリカ)

さいごに

今回紹介した井上尚弥には、全ての能力が高水準というボクサーです。

しかし怪我や減量苦もあって、まだ潜在能力をフルに発揮した試合というのは意外に少ないです。ナルバエス戦のようにコンディションが整った状態で、戦えばホントに敵なしだと思います。どこまで世界戦のタイトルを取り尽くすか、これからも非常に楽しみでしょうがないです。