平昌冬季オリンピックの銅メダル獲得で沸いたカーリング競技。
ふと思ったのが、使っているストーンと呼ばれる石は、どうやって作られているのだろうか?ということ。
気になったので調べてみました。
カーリングの石はスコットランドの石を使用
カーリングのストーン(石)は、
✔ 重さ約20㎏
✔ 直径約30㎝
とかなり大きくて重いものです。それ相応の石が必要になります。
また基本的に個人で所有するものではなく、会場にあるものを使います。
その為、どこのなんでもいい石というわけにはいきません。多くの石は、
✔ 花崗岩系の岩石
✔ スコットランドのアルサクレッグ島特産の花崗岩
が主流です。
アルサグレイグ島は、スコットランド本土から10マイル西の沖に浮かぶ面積1km2弱の無人島で、マグマで冷えてできあがった孤島です。
花崗岩なら、別にどこのでもいいような気がしますが、スコットランド以外の地域の花崗岩を使うと、使用している間に割れてしまうそうです。
スコットランド産の花崗岩は、他の地域の花崗岩よりも
✔ 高密度で強度
✔ 滑りやすさに優れている
という特徴があります。
他の地域の石では、
✔ 密度が低い
✔ 氷の上で石が水を吸う
✔ 吸われた水が再び凍ったときに石が膨張して割れてしまう
そうです。
スコットランドの気候とマグマから出来た石が、カーリングの石に適して産まれてきたということでしょうか。
↓追記 こんな記事見つけました。
氷上の地質学
「スコットランド産の花崗岩がカーリングに最適な理由」カーリングがオリンピックの公式種目になったのは1998年でまだ日が浅いが,競技に使われるストーンには長くて意味深い歴史がある。「オリンピックで使われるストーンはどれも,アルサクレイグ島というスコットランド沖の小島で採れた石だ」と米国のカーリング女子チームのスキップ(主将)を務めるブラウン(Erika Brown)は説明する。「アルサクレイグの石の曲がり方は他の石では真似できない」。
スコットランド本土から10マイル(16km)ほどのところにある面積1km2弱のこの小島は,極上のストーンに使われる2種類の花崗岩の産地だ。1つはブルーホーン花崗岩で,氷と接して滑る下側の層になる。もう1つは一般的な緑色花崗岩で,こちらはストーンの中間層,つまりストライキングバンド(他のストーンとぶつかる部分)になる。
「氷と接する層は欠けることも水を吸うこともない。でも最も重要な点は,氷上での挙動を正確に予測できること。投げたストーンがどうなるかがわかる」とブラウン。「そして中間層は他のストーンとぶつかっても壊れない」。
「急冷マグマが理想的な花崗岩に」
ストーンのこの優れた性能は,約6000万年前のアルサクレイグ島のでき方に由来している。この島は大量のマグマが地層を貫いて上昇した「貫入岩体」なのだと,英グラスゴー大学の地質学者フェイスフル(John Faithfull)は説明する。そのマグマが比較的急速に冷えて花崗岩になるとともに,周囲の岩は侵食によってなくなり,「侵食に非常に強い硬い岩だけが海面から突き出してアルサクレイグ島となった」。
この火成岩は結晶化の際に,強靱で均一な岩になった。「マグマが急速に冷えると,非常に小さな結晶ができる。それらが互いに入り組み,結晶の間に化学結合が発達した」と英国地質調査所の地質学者ギレスピー(Martin Gillespie)はいう。この花崗岩には「小さなひび割れもまったくないようだ」。
また資源保護の観点から、採石は20年に一度しか行われないそうです。最近では2002年に行われました。
それで足りるのか?と思いますが、カーリングストーンの耐久性はなんと100年以上と言われています。
ストーン1個あたり10万円程、1セット(8個*2チーム)だと160万程しますが、充分に元も取れますし、原料は足りているということになります。
カーリングストーンの作り方
世界カーリング連盟の以下の動画が非常に分かりやすかったです
また今のストーンには、中にセンサーも入っています。
投げる人が、ホッグラインと呼ばれるラインの手前で手を離さないといけないルールですが、それをチェックするのにセンサーを使用しています。
問題なく投げられたら緑のランプ、違反すると赤のランプが点灯します。