駅伝・マラソン

【マラソン】非公認大会ながら、キプチョゲが2時間0分25秒をマーク。2時間突破は現実か?!

ナイキが、マラソン2時間切りプロジェクト「Breaking2」にとりかかりました。

これは、人類がマラソンで2時間という、超大きい壁を突破できるか?!という挑戦プロジェクトです。

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マラソン世界記録

現在の世界記録は、2014年9月28日のベルリンマラソンで、ケニアのデニス・キメットがマークした「2時間2分57秒」。

それまでは、2時間3分台をマークした選手は4人いましたが、2分台という数字の衝撃は非常に大きく、「2時間切り」の現実味が増したと言われています。

2時間切りの挑戦

現在、世界中の各スポーツメーカーがこの2時間という「壁超え」を目指しています。

そんな中、ナイキが2017年5月6日、イタリアで前人未踏の領域に挑戦します。

場所は、気温が安定していることや木々に囲まれて風の影響を受けにくいという条件の良さから、F1グランプリで有名なレース場「アウトドローモ・ナツィオナーレ・モンツァ」の1周2.4kmの周回コースで行われます。

出走するのは、
✔ 世界歴代3位の2時間3分5秒の記録を持つ、リオ五輪金のキプチョゲ
✔ ハーフマラソン世界記録(58分23秒)保持者のタデッセ
✔ マラソン2時間4分45秒の記録を持つレデシサ
の3人のトップランナーです。

キロ2分50秒6の挑戦

キメットの世界記録は1キロあたりに直せば約2分54秒8です。

これが1時間59分59秒で走るとすれば、約4秒2のペースを速める必要があり、1キロあたりに換算すると約2分50秒6。

これは尋常じゃないペースです。

ただこれを達成するために、今回のプロジェクトでは、3選手の前には空気抵抗を減らす目的で数人のペースメーカーが配置され、しかもランナーの速いスピードを維持させるために、途中でペースメーカーを入れ替えることにしています。

ちなみに3月に、同所にてハーフマラソンの距離でテストランが行われ、キプチョゲが59分17秒、タデッセが59分41秒と60分を切る記録で走りました。

ナイキ「Breaking2」成功へ向けての取り組みを公開

 ナイキは、マラソン2時間切りを目指すイノベーションプロジェクト「Breaking2」の成功へ向けての取り組みを公開した。

「Breaking2」は、エリウド・キプチョゲ、レリサ・デシサ、ゼルセナイ・タデッセの3人のアスリートが、マラソン2時間切りという前人未到の記録に挑むイノベーションプロジェクトだ。マラソン2時間の壁を破るためには、最速のマラソン記録である2時間02分57秒よりも3%早く走る必要があるため、26.2マイルのそれぞれ1マイルにつき、7秒早く走らなくてはいけない。

(中略)

 Breaking2を科学的側面から統括するナイキスポーツ研究所のナイキ エクスプロア チーム・ジェネレーション リサーチ担当ディレクターのブラット・ウィルキンズ博士と、ナイキスポーツ研究所の研究者で主任生理学者のブレット・カービー博士は、サブ2マラソンの夢を彼らが力を合わせることで実現できる可能性があるという理由を明かした。

 カービー博士は「エリウドは、自分の反応や主観的な運動強度でペースを調整します。全般的な持久力をフォーカスしていたデシサはたくさんの長距離走で、軽めから中程度の基本的なランを多く行いました。プログラム後半になるとスピードと強度を高めるために、トラックでのワークアウトを増やすようにしました。タデッセの戦略は、デシサのほぼ逆を行くものでした」と話す。

 アスリートたちは、一般的にやる気を維持するために他の人と一緒に走る。デシサには6人から8人の仲間がついており、キプチョゲはロングランのときには最大60人程度の地元ランナーやプロランナー、コーチからなる大きなグループと一緒に走る。タデッセは一人で走ることが多いという。

 3人は、誰も標準的なクールダウンと考えられている行為は行わない。週に100マイル以上走る彼らにとって、最も重要なのは回復だ。たいていは週に1度か、必要に応じて休息日を取っている。特にハードなトレーニングの後には、最大で週に3回マッサージを受けるアスリートもいる。

 彼らはウエイトを上げたり、ヨガをすることもない。トレーニングプログラムはそれぞれ全く違うものだが、ランニングが全てだ。ウィルキンズ博士は、「一般的にここまでのレベルのランナーは、それほど柔軟性はありません」と述べている。研究によると、柔軟性が低い方がパフォーマンスの高さに繋がる傾向があるという。「足が硬いほうがエネルギーロスが少ないという理論です」とウィルキンズ博士は語っている。

 また、ウィルキンズ博士とカービー博士は、炭水化物を50~75%、タンパク質を20~30%、残りを好きな物で摂取することを勧めている。例えば、きついトレーニングの後はすぐにタンパク質と炭水化物、アスリートがすぐに食事ができない場合には回復用の飲み物を摂ることを提案している。

 3人のアスリートは、高地で生活し、ほとんどのランニングをそこで行っている。ウィルキンズ博士は「高地は酸素が薄いため、長期的に生活すると赤血球の数が増えて、血液がよりたくさんの酸素を筋肉に運べるようになるのです。筋肉の酸素量が増えると、機能が良くなり、より遠く、より早く走るために役立つのです」と話す。
 各アスリートのデータ分析と試行錯誤の結果、理想的な補給時間を2.4kmごとに決定。科学者たちは、これはアスリートにとって全く新しいことになると述べている。

引用:cyclestyle.net

非公認記録だが、世界記録超えを達成

 フルマラソンの2時間切りを目指すプロジェクト「ブレーキング2」のトライアルレースが6日、イタリア・モンツァのレース場「アウトドローモ・ナツィオナーレ・モンツァ」の周回コース(1周2.4キロ)で行われ、リオデジャネイロ五輪男子マラソン金メダリストで、世界歴代3位となる2時間3分5秒の記録を持つエリウド・キプチョゲ(ケニア)が、2時間0分25秒でゴールした。非公認レースのため、公式記録とはならないが、2014年にデニス・キメット(ケニア)がマークした2時間2分57秒の世界記録を2分32秒上回った。
引用:スポーツナビ

 イタリアのモンツァ・サーキット(Monza Circuit)で達成されたタイムは、デニス・キメット(Dennis Kimetto、ケニア)が持つ世界記録の2時間2分57秒を大きく更新したものの、ペースメーカーの起用法が規則を順守していないことなどにより非公認となっている。
 レース中、キプチョゲらは時間を管理する車両の約10メートル後ろを走行するペースメーカー6人を追い掛ける形で走った。
 わずかに記録達成を逃したキプチョゲだったが、2時間切りの可能性を感じたとした上で再び挑戦するかもしれないと語った。
引用:AFP

 大台への壁を超えるまであと26秒にまで迫った。レース後のキプチョゲも「これは歴史だ」と振り返った。同時に関係者も究極の目標には一歩及ばなかったものの、この半年間、スポーツ科学など多角的なアプローチから人間の限界を押し上げる試みは成功したと胸を張った。

(中略)

 序盤の5キロを14分14秒で入ったキプチョゲは、その後の5キロごとのスプリットも14分7秒、14分13秒、14分15秒、14分17秒、14分17秒と、35キロ地点まで大きくタイムを上げ下げすることなく走った。だが、35キロから40キロのスプリットで14分27秒と大きく減速。これが響き2時間の壁に手を触れることはかなわなかった。
 今プロジェクトで2時間超えを達成するためのキーワードの一つが「ランニングエコノミー」だった。マラソンという長距離競技においては、少しでも少ないエネルギーで走ることが後半から終盤の落ち込みを少なくし、より良いタイムが期待できる。つまりは、世界記録を大きく上回り2時間以内というスピードで走るには、終始同等のスプリットを刻むが効率的であることから、今回のトライアルレースでもこれを実行しようとしたのだ。
 なるべく同じペースを守る。言うは易しでこれを生身のランナーが実行するのがどれほど難しいことか。ラドクリフは、通常のレースで多くのエリートランナーがそうするように前半より後半でペースを上げる「ネガティブスプリット」ではなく、終始イーブンで行かねばならなかったところが通常のレースとは異なる点だったと言った。
引用:スポナビ

もう、もの凄いの一言です。残念ながら2時間超えは出来ませんでしたが、出来るという現実味を帯びた結果が出ました。これはもう近い将来、達成出来る気しかしません。

今後が非常に楽しみです!