駅伝・マラソン

【2022 箱根駅伝】2021年大会が終わっての第98回大会展望 | 駒澤・青学を中心に創価・早稲田の「4強」か?!

2021年第97回大会は、全日本大学駅伝を制した駒澤大が最終区10区で大逆転劇を演じ、13年ぶり7度目の優勝を飾りました。

2位は創価大で52秒差。4分52秒差の3位は東洋大。往路12位と出遅れた前回王者の青学大は意地の復路優勝を果たし、4位まで挽回しました。

本記事は、気が早いですが、次回2022年第98回大会の行方を占ってみます。

(2022.1.3追記)
2022年の箱根駅伝は、青学が覇権を奪回しました!

第98回(2022年)箱根駅伝 展望

第97大会終了時の、次回の優勝候補は4校かと思います。ただ今後新入生も入りますし、この年代は劇的な成長もありますので、直ぐに変わる可能性もあります。

優勝候補① 駒沢大学 | 連覇なるか?!

2020-21シーズン2冠を達成した駒澤大が、来年も優勝争いの中心になることは間違いないです。

まず駒澤の絶対的エースというか学生長距離界のエース田沢(2年→3年)が健在です。

そして、5区4位の鈴木(1年→2年)は、3月の学生ハーフでワールドユニバーシティゲームズ(旧ユニバ)の代表権を獲得し、勢いに乗っています。

また、6区で歴代3位の好記録で区間賞を獲得した花崎(3年→4年)もいるため山区間は万全。

アンカーで劇的な逆転劇を演じた石川(3年→4年)、7区4位の花尾恭輔(1年→2年)、9区6位の山野(2年→3年)ら経験者が9人残ることも好材料の1つ。

唯一抜ける小林(4年→卒業)は、全日本大学駅伝でも箱根駅伝でも、いぶし銀の働きを見せましたが、穴は赤津、唐澤、青柿ら新2年生たちで充分に埋まると思われます。

新1年生も含め、1万m28分台が箱根までには勢揃い状態になるのではないでしょうか?!

2022年 駒澤大学戦力

【2021箱根駅伝出走ランナー】
1区:15位 1:03:47 白鳥哲汰①→②
2区:7位  1:07:27 田澤 廉②→③
4区:11位 1:04:09 酒井亮太②→③
5区:4位  1:12:44 鈴木芽吹①→②
6区:1位  57:36 花崎悠紀③→④
7区:4位  1:03:55 花尾恭輔①→②
8区:4位  1:04:48 佃 康平③→④
9区:6位  1:10:04 山野 力②→③
10区:1位  1:09:12 石川拓慎③→④

9人の経験者が残りました。その他にも、

青柿 響①→② 28.20.42
赤津勇進①→② 28.30.64

と、まだまだ戦力は充実しています。

2022年大会は、主力の学年が下級生中心ということもあり、成長が読めないところもありますが。

出雲・全日本・箱根は、田澤・鈴木・花尾らを中心として穴のないオーダーが組めます。田澤に関しては、怪我などアクシデントが無ければ、基本的には平地の最長距離を安定感抜群で走り抜くことができるでしょう。

駒澤は、2020年の全日本駅伝でみせたように繋ぎ区間にも1万m28分台級のランナーをずらりと並べる事ができます。手堅く繋ぐことが出来れば、充分に覇権を獲れると思います。

(追記)
東京オリンピックの代表の座をかけた日本選手権10000mで、田澤&鈴木が日本学生歴代2,3位の大記録。もしかしたら、これは出雲・全日本あたりでは駒澤の実力が飛び抜けてしまったかもしれません・・・

優勝候補② 創価大学 | 雪辱なるか?!

2021年大会、4回目の出場の創価大は大金星を逃した。しかし、大健闘を演じました。

10区途中まで先頭を走った経験は大きな財産として残ります。

1区3位の福田、7区2位の原富、9区区間賞の石津と大活躍した3人の4年生は卒業してしまいますが、エースムルワ(2年→3年)に3区3位の葛西(2年→3年)、4区2位の嶋津(3年→4年)とロードに強い選手の存在は心強いです。

また、5区2位の三上(3年→4年)と6区7位の浜野(2年→3年)の山コンビは、駒大に負けていません。10区で悔しい思いをした小野寺(3年→4年)の奮起も期待されます。

往路は足りてます。復路に関しては、現状卒業生の穴が非常に大きいので、まだ総合順位は何とも言えませんが。そこは2021年の箱根を沸かした創価大。新たな選手の台頭があることでしょう。

2022年 創価大学戦力

【2021箱根駅伝出走ランナー】
2区:6位 1:07:18 ムルワ ②→③
3区:3位 1:02:41 葛西 潤②→③
4区:2位 1:02:49 嶋津雄大③→④
5区:2位 1:12:05 三上雄太③→④
6区:7位  58:49 濱野将基②→③
8区:8位 1:05:10 永井大育③→④
10区:20位 1:13:23 小野寺勇樹③→④

7人の経験者が残りました。その他にもまだまだ戦力は充実しています。

優勝候補③ 青山学院大学 | 覇権奪取なるか?!

2021年大会は。往路12位と大きく出遅れましたが、復路では前年覇者の意地と底力を見せつけました。

現時点で、覇権奪回の切り札は、岸本(2年→3年)。前々大会2区で1年生最高記録となる67分3秒と好走し、優勝に貢献しましたが、前回は股関節痛から復帰途上のため、登録メンバーから外れました。

「岸本2区」が優勝の重要ピースとなるのは自明の理です。

そして、今大会の最大の収穫は、箱根駅伝初出走者がそれぞれ貴重な経験をしたということです。

ルーキー佐藤の活躍が目立ちますが、2区に抜擢された中村、復路優勝に貢献した近藤・中倉ら2年生の世代が上がってきていることは、選手層を厚くしています。

また、9区で2位と好走した飯田(3年→4年)が、前々大会2位と好走した5区に戻ることが予想できます。6区3位と好走した高橋(3年→4年)もいるため、山区間に不安はありません。

また、4月に入学予定の選手が高校駅伝のエース区間1区でトップ争いを繰り広げていました。

新戦力含め、もう一度しっかり戦力を整えて、また王者返り咲きを狙っていくことと思います。

2022年 青山学院大学戦力

【2021箱根駅伝出走ランナー】
2区:14位 1:08:29 中村唯翔②→③
3区:14位 1:04:48 湯原慶吾③→④
4区:4位  1:03:09 佐藤一世①→②
6区:3位  58:13 髙橋勇輝③→④
7区:3位  1:03:14 近藤幸太郎②→③
9区:2位  1:09:20 飯田貴之③→④
10区:4位  1:10:17 中倉啓敦②→③

7人の経験者が残りました。その他にも、

岸本大紀②→③ 28.32.33
関口雄大②→③ 28.56.09
目片将大②→③ 28.57.61
志貴勇斗①→② 29.01.62

脇田幸太朗②→③ 29.03.66

横田俊吾②→③ 29.03.99

大澤佑介②→③ 29.07.82

宮坂大器②→③ 29.10.82

山内健登①→②

と、まだまだ戦力は充実しています。

優勝候補④ 早稲田大学 | ダブルエースで復活なるか?!

少数精鋭ながら、スピードランナーをそろえてきている早稲田が台風の目になるのではないかと思います。

特に出雲や全日本は、早稲田大学が優勝候補筆頭に挙がってもおかしくないです。

2022年 早稲田大学戦力

【2021箱根駅伝出走ランナー】
1区:5位 1:03:17 井川龍人 ②⇢③
2区:13位 1:08:17 太田直希 ③⇢④
3区:6位 1:03:29 中谷雄飛 ③⇢④
4区:3位 1:03:03 鈴木創士 ②⇢③
5区:19位 1:17:06 諸冨 湧 ①⇢②
6区:8位 58:55 北村 光 ①⇢②
8区:5位 1:04:55 千明龍之佑 ③⇢④
9区:4位 1:09:28 小指卓也 ②⇢③
10区:7位 1:11:08 山口賢助 ③⇢④

故障者がいなかったとしたら、出雲・全日本は5000m13分台や1万m28分台前半~中盤の選手で構成できます。対駒澤と見たときには、アンカー田澤の前にでれる一番可能性の高いチームにも思えます。

箱根に関しては、今年より充分プラスが望めます。

往路は、今年に関しては1万m27分台の太田・中谷が、日本選手権からの調整がうまくいかず乗れませんでした。その上で、5区山登り対策が間に合わなかったです。

往路平地は充分先頭争いをするポテンシャルを秘めています。山登りは分かりませんが、ここに目処がたてば、充分に表彰台まで引き上がる可能性があります。

もともと、早大は選手層が薄いという宿命みたいなものがあります。もし、怪我人が出たら一気に苦しくなりますが、とりあえずここは今は考えません。早稲田のスピードランナーが揃った時の破壊力の方が楽しみです。

さいごに:他にも有力校はたくさんいる

他にも、3位の東洋大は2区4位の松山(1年→2年)、5区3位の宮下(3年→4年)と重要区間に頼れる選手がいます。往路を担う主力がレベルアップすれば往路優勝は十分に狙えます。往路を制し、復路逃げ切りのパターンに持ち込めば勝機ありです。

また、爆発力の東海大、安定感が持ち味の帝京大が上位を伺う形になります。

前回、上位10人の1万PBの平均が全体2位だった明治は「速さ」に「強さ」が加われば、73年ぶりの劇的優勝の可能性が出てくるでしょうか。