2018/3/31 更新
もうこんな記録は出すことが出来ないんではないだろうか。。。と言われている2015年大会で世羅高校が出した「2時間01分18秒」という記録
この記録を破るには、どのくらいの実力を持ったチームだったら可能性があるか検証してみました。
Contents
世羅高校の凄さ
2015年世羅が記録更新するまでは、2004年大会で仙台育英が出した「2時間01分32秒」が記録でした。仙台育英の記録は、高校世代ではもう記録更新するのは不可能とまで言われる記録です。
しかし世羅は、これを14秒更新してしまいました。区間ごとの記録はこうなってます。ちなみに仙台育英の記録と国内最強の佐久長聖と比べてみます。
2015 2時間01分18秒 |
2004 2時間01分32秒 |
2008 2時間02分18秒 |
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29:16 |
29:12 |
29:52 |
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8:15 |
8:25 |
8:25 |
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22:51 |
22:40 |
23:18 |
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23:32 |
23:21 |
23:34 |
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8:38 |
8:44 |
8:24 |
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14:25 |
14:41 |
14:14 |
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14:21 |
14:29 |
14:11 |
世羅の4区終了時点では、仙台育英が16秒勝っています。しかし、それを世羅は5区以降の3+5+5kmで取り返し、更に14秒突き放しています。この3区間を全て歴代TOP10以内で走っています。
それともう一つ記録達成の要因としては、1区をハイペースで乗り切ったことが上げられます。中島の記録は歴代8位の好タイム。総距離の1/4を占める1区を30分くらいかかってしまうと、いくら他でカバーしても記録更新はほぼ不可能。1区を29分台前半で最低でもおさめる必要性があります。
佐久長聖はちょうど世羅から1分遅れですが、もしこの時1区を29分10秒以内で走っていれば、国産で大会記録を更新することが出来ていたかもしれません。ホント凄すぎるし、後の祭りですが、1区がもっとハイペースで進行していればな。。。と思います。
大会前の5000mの持ちタイム
2015年は大会記録更新の可能性があるかなと感じながら見てました。なぜかというと、大会前の各々の5000mの自己ベストが秀逸だったからです。ここも仙台育英・佐久長聖と比べてみます。
2015 2時間01分18秒 |
2004 2時間01分32秒 |
2008 2時間02分18秒 |
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14:04 |
13:39 |
14:03 |
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14:16 |
14:27 |
14:44 |
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13:21 |
13:47 |
13:50 |
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13:50 |
14:21 |
14:00 |
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14:35 |
8:44 |
14:09 |
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14:16 |
14:24 |
14:06 |
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14:00 |
14:12 |
13:58 |
世羅はなぜ、これで4区終了時点で負けているのだろうか・・・まぁ仙台育英が凄かったのでしょう。そしてこれを見ると佐久長聖の凄さもまたわかります。
佐久長聖と比較すると、世羅はまだまだ記録を伸ばせたのではないかとも思います。2・3・4・6・7区が、もう少しずつタイムを縮めていたら、0分台も可能だったのかな。。。
大会記録を更新するには?!
では、ここまでの記録の話を総合して、現在の世羅の大会記録を更新するには、どういった形で大会前にいればいいか考えてみます。
とりあえず留学生がいないと仮定して書きます。できれば日本人だけで達成して欲しいし、2008年の佐久長聖並になれば実現可能だということはわかったので。
2時間1分00秒を達成るには?!
こんな感じの区間タイムで走ると、ちょうど1分00秒になります。
1区 29分10秒
2区 8分15秒
3区 23分40秒
4区 23分10秒
5区 8分25秒
6区 14分10秒
7区 14分10秒
これを達成するに必要な人材は、過去の例から見て。
1区 13分55秒
2区 14分20秒
3区 13分50秒
4区 14分00秒
5区 14分20秒
6区 14分15秒
7区 14分15秒
となりますでしょうか。これで5000mの平均タイムは14分08秒。ちなみに佐久長聖が14分07秒。もしそのとき、2区で出場予定だった佐々木健太(14分21秒)なら、平均は14分03秒になります。今後の可能性は無きにしもあらず。
日本人(国産)だけでも大会記録は更新できる
いろいろと長く書きましたが、結論は、日本人だけでも大会記録を今後更新することができると思います。
13分台2人に、14分1桁が2人、14分10~20秒が3人。平均で14分1桁。
今後、こういうチームが出てくることを期待して、記録面から高校駅伝を観るのも楽しいと思います。
5000m平均14分1桁or13分台複数人持つ高校の成績
2015年の世羅以降で、本番都大路を14分1桁の平均か13分台ランナーを複数人で挑んだ高校の成績を分析します。
2015年 学法石川 (平均:14分15秒、13分台3人)
13分台3人(阿部・遠藤・相澤)を要し、800・1500のスペシャリストの田母神を2区に据えて布陣は完璧でしたが、各々が少しずつ足りなく、4分台でフィニッシュ。
1区で20秒、2区で15秒、3区で30秒、4区で20秒は稼げたかもしれませんが、それでも2時間3分。5区以降も強力な布陣を引けないと記録達成は出来なさそうです。
2016年 佐久長聖 (平均:14分06秒、13分台2人)
2016年の都大路は、佐久長聖が平均14分06秒で挑みます。
内訳も、
13分台:2人
14分1桁:1人
14分10秒台:1人
14分20秒台:3人
どういう結果になるか、いまから非常に楽しみです。
(追記)
かなり惜しかったです。途中まではホント更新できるんじゃないかと興奮していました。
実際、4区までは2008年佐久長聖を上回っていました。まぁ1区のタイムが大きく違うのが影響しているのですが。4区本間が20秒くらい足りてないのと、5区以降が、2008年が36分49秒だったのに対して、2016年は38分13秒と、この3区間合計13kmで、1分24秒も負けています。
ここが非常にもったいなかったです。2017年も5人もメンバーが残るので是非優勝だけでなく、記録にも挑戦して欲しいです。
関連記事:【2017高校駅伝】今年の優勝するチームはどこか?!検討してみます
2017年 佐久長聖 (平均:14分09秒、13分台2人)
2017年の佐久長聖は、12月3日の時点で。
13分47秒22 中谷雄飛3
13分58秒42 本間敬大3
14分11秒48 松崎咲人2
14分14秒96 丸山幸輝3
14分15秒66 服部凱杏1
14分16秒65 濱野将基2
14分21秒29 富田陸空1
14分23秒77 鈴木芽吹1
14分26秒77 高木航志3
14分28秒21 宮内斗輝2
という、持ちタイムになっています。先程も書いたように高校記録を狙うには、13分台2人に、14分1桁が2人、14分10~20秒が3人。平均で14分1桁が目安になります。
ここに当てはめると、既にこの世代最強になりつつある中谷が13分台、そして本間も13分台。
ただこのあとの14分1桁レベルが足りません。松崎はちょっと今年になって調子が上がらないですが、1年の服部・鈴木・富田が11月の記録会で10秒台。もっと記録を出しそうなので期待がもてます。
ただ1年に4区は酷なので、できれば3年の丸山・高木・山本にも記録を伸ばして、下りの4区で快走できるまで伸びて欲しいです。
あとは本番でどうなるか?!
(追記)
2017年も惜しかった。若干勝負に徹して感もあるので、しょうがない面もありましたが。
1区の中谷が28分分台、松崎があと20秒速かったら、後半のメンバーは意識したかもしれませんが。
2018年も期待出来るメンバーが残るので、是非再度挑戦して欲しいです。
2018年は佐久長聖、学法石川が挑む?!
2018年3月現在で、年末までに13分台を複数人だせそうなのが、佐久長聖と学法石川です。
記録を狙える状況にまず持っていけるか?!
随時情報を更新していきます。
関連記事:【2018 高校駅伝】今年の優勝するチームはどこか?!検討してみました
さいごに
こういうふうに具体的な数字を出して、高校長距離界を見てみると、また面白かったりもします。
高校駅伝まで随時更新していきます。